AI開発

【AI開発企業が解説】建設現場のAI活用メリットと事例まとめ。

働き手の不足や高齢化、長い労働時間などの問題を解決するべく、建設現場でもAIが活用されるようになってきています。

建設プロセス全体の最適化や安全性の向上など、多岐にわたる分野でAIが活躍しています。本記事では、建設現場におけるAI活用事例を紹介します。

AIが建設業界に注目される理由

建設業界においてAIの活用が注目されている理由は大きく分けて3つあります。

  1. 人手不足
  2. 働き手の高齢化
  3. 労働時間が長い

建設業界が抱える課題のひとつは、人手不足と働き手の高齢化です。少子化の影響であらゆる業界で労働者は不足しているものの、建設業界はとくに職人の高齢化がすすみ、人手不足は深刻です。

国土交通省がまとめた「建設業及び建設工事従事者の現状」によると、建設業で働く労働者の約34%が55歳以上であり、高齢化が進んでいるのがわかります。29歳以下の労働者は全体の約11%にとどまっており、専門的な知識や技術を受け継ぐ若手の育成が求められています。

出典:「建設業及び建設工事従事者の現状」(国土交通省)より

また厚生労働省の「令和4年分毎月勤労統計調査」によると、働き方改革が推進されている日本において、建設業界は業界別においても運輸業/郵便業に次いで労働時間が長い業種です。

 

引用:厚生労働省の「令和4年分毎月勤労統計調査」より筆者作成

こうした課題の対策として日本では外国人労働者数が爆発的に増えています。しかし、外国人労働者の増加に伴って日本の雇用慣行に対する知識不足やコミュニケーションの問題、労働条件等のトラブルが生じやすいという問題も生じています。

画像引用:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】」より

こうした課題が散見されるため、AIを活用することによる業務効率化や省人化、コミュニケーション改善が求められています。


建築業界にAIを導入するメリット

建設業界にAIを導入するメリットには以下のような点が挙げられます。

  • 生産性向上
  • 品質向上
  • コスト削減
  • コミュニケーション改善

AIの活用方法としては危険区域の検知やメンテナンス業務の効率化など様々なシーンが考えられます。建築現場にAIが導入されるシーンを事例を用いて紹介します。

画像認識を用いた設計図面の自動入力

例えば、従来であれば設計図は一から手書きで作成するのが当たり前でした。また現在でもデータ化されたPDFに記載された図面は人間にしか分からない記号や線で描かれています。

そのため部材情報はコンピュータに1つ1つ手入力する必要がありますが、この工程に画像認識技術を活用し、記号や線、色を柱なのか外壁なのかと学習させることで人間の手で手入力をする必要なく自動で入力が完了します。

それこそある程度専門知識がないと図面を読み取ることができず、新人が入力業務をこなすようにするために人件費と教育コストがかかるでしょう。 AIに一度学習させてしまえば、人件費をかける必要も辞めてしまうかもしれない新人にやり方を教える必要もなくなります。

参考情報
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/27/news007.html

画像認識技術を用いた点検業務の効率化

AIやAIロボットの活用により、これまで作業員が目視で行っていた点検業務を、人力よりも迅速かつ正確な自動点検に置き換えることが可能になります。

将来的には作業員が立ち入らなくてもAIロボットがクオリティ管理のチェックをしてくれるのが一番ですが、現時点だと例えばハンディカメラやヘルメットに装着したウェアラブルカメラを用いた画像認識技術を利用して建物のひび割れや異常がないかを検知することが現実的でしょう。

単に検知ができてヒューマンエラーが減るということに限らず、情報がデータとして残るため、異常が発生しやすい傾向が掴めれば次回以降の対策としても役に立ちます。

ドローン×AI検査

建物が完成した後も、AIを活用することで品質向上が期待されます。例えば、ビルの点検に際して、ドローンを使って建物の状態を撮影し、AIがその画像を解析し、損傷箇所や劣化部位を識別することができます。

これにより、定期的な点検作業を効率化し、品質管理を強化することができます。 またドローンの利用は高所や危険個所などの現地確認が困難な場所において活躍します。

作業員が現場に移動する時間が削減でき、その場においてリモートでの情報共有やディスカッションが可能となるため、打ち合わせの効率も上がります。

BIM×AI

AIを活用することで、建設業界に従事するワーカー同士や、建設現場スーパーバイザー、エンジニアやアーキテクト、および顧客とのコミュニケーションを改善することができます。

AIが自動的にデータ分析やトレンド解析を行うことで、共同作業を実現しやすくなり、進歩的なアプローチを採用して、建設プロセス全体が円滑に進むようになります。

建築業界では、多くの人々が関わるため、コミュニケーション不足やミスコミュニケーションが起こりやすいとされています。しかし、AIを活用することで、コミュニケーションの改善が期待できます。

その1つの事例としては、建築プロジェクトの進捗管理システムである「BIM(Building Information Modeling)」があります。BIMは、設計・施工・運用フェーズで必要な情報を一元管理することができ、建築プロジェクト全体の進捗状況を確認し、関係者間のコミュニケーション改善につながります。

BIMとAIを組み合わせることで、これまで技術者の手作業で行われていた建築設計の企画段階となるボリューム設計を自動化することが可能になります。

作業者が基本情報や追加条件を入力することでAIが選択肢を絞り込み、ボリューム設計プランを自動作成&概算コストまではじいてくれるようになります。

参考情報
https://www.ad-hzm.co.jp/info/2022/20220124.php

AIを用いた交通誘導

建築や工事が始まると現場に入ってくる輸送車両や一般車両の規制など、交通誘導の作業負担が発生します。この業務をAIカメラが代わることで省人化や生産性向上に繋がります。

交通誘導員の代わりにAIが車両や人を検知し、信号機や電光表示板の操作を行うことが可能になります。オペレーターは炎天下や豪雨の中、外で誘導作業をする必要はなく、緊急事態が発生した場合のみ対応すればよいでしょう。

トンネル現場の現場管理システム

山岳トンネルの工事現場においても切羽作業の工程管理があり、日々作業報告を行う必要があります。画像認識AIにより、例えば作業現場にある重機の種類や位置、切羽作業の認識により作業内容を自動判定し、作業進捗を把握することができます。

これにより作業報告業務が短縮されるだけでなく、どの工程にどれくらい時間をかけたかやリアルタイムに作業内容を把握することで災害の生じやすい作業時には巡視を徹底する等の工夫も出来るようになります。

参考情報
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001521181.pdf

まとめ

建築業界にAIカメラが導入されることにより、生産性や業務効率が上がり、作業員の働き方も改善されることでしょう。近年では日本でもDX推進が図られていることから、建築業界にAIカメラが導入されることも遠くない未来です。

しかし現状ではひとくちにAIカメラを導入すると言っても超えらなければならないハードル(デメリット)があります。

  • 購入コストが高い
  • 支払ったコストに見合うかが分からない
  • 本当にやりたいことが既存のAIカメラでは不可能

今回挙げた事例のように、AIで出来ることは多くありますが実際にやりたいと考えても、新たにAIカメラを導入するコストやそもそもAIカメラに欲しい機能が備わっていないケースが考えられます。

エッジAI開発ならあらゆるニーズに対応可能

弊社事業の1つでもある「AI開発」なら自治体のあらゆる画像解析ニーズにも対応致します。新たにAIカメラを導入する必要はなく、ネットワークカメラにエッジと呼ばれる端末を装着することでAIカメラ化することが可能です。


AI自体はアルゴリズムから開発するため、お客様の要望に合わせたAIをカスタマイズ開発することが可能です。

建築業界のAI提案事例を下記にてご案内しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

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